漂着の住文化談義
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 もともと自然には恵まれ、気候風土に根ざした生活が営まれてきた日本では、島国としての独特の文化の融合がありました。 自らの発想で生活を育んできたというよりは様々な形で流入してくる文化、物資、宗教等の影響を受けてきたのは史実上、明らかでしょう。
 日本の建築文化もしかり、南方(島々)からと北西(大陸)からとあったと言われ、その流れを引き継ぐ形態も見つかっています。現代の住文化も、日本社会においては情報が錯綜し、個々の主張もかなり強くはなってきている中で、TVや新聞、雑誌、T等の影響下にあり、相変わらず住宅メーカー主導の動きに翻弄され半世紀前に比べあまりの情報量に、日本国民が飲み込まれている状態にあります。そのなかで各個人がしっかりとした選択眼を持っていなければそれらの情報に飲み込まれてしまいがちになります。
しかし現実では地震大国のせいもあり、住宅に物理的性能を求めすぎるあまり、性能本位の住宅文化が台頭している今日この頃です・・・。
このままでは日本に本来あってほしい日本独特の住宅の価値観や文化が四半世紀後には消えていくような気がします。
流れ着いた結果、残っている住形態は経済社会の中で効率よく生きるもののみ選択され、早い文化転生のリズムに踊らされているかのようです。